現在は隣の村に移動しました。ここでは、学校が始まったばかりのころを紹介しています。
2002年。(以下の文章は2002年当時に書いたものです。)
学校の校舎です。村の空いていた建物をレンタルで借りて使 用しています。
教室は3部屋。でも、クラスは4クラス。1クラスは外で青空授業です。教室は毎日交代でローテーションしています。 「雨の日はどうするの?」と先生たちに聞いたら、「今は乾季だから滅多に雨は降らないので心配ない」のだそうです。 やはりインド人、楽天的。私はハラハラ、心配性な日本人。早く自前の校舎を作ってあげたいけれど、まだまだ遠い道のり。みんな、もうちょっと我慢してね。
学校の先生は4人。みんな村の住人で、教育を受けている人たちです。高校卒業の資格(大学受験資格) に受かっています。それだけでも村ではとても珍しいのです。一人は他の学校で先生をしていましたが、他の先生は無職でし た。村では高学歴でも、都会にはもっと教育を受けた人たちがいます。しかも、そんな人たちも失業している状態ですから、 仕事が無いのです。
先生の一人は女性です。彼女がだっこしているのは、彼女の赤ちゃん(写真右)。まだ小さくてお母さんのそばを離れられないので、学校に連れて来ています。
初めて習う文字。鉛筆の持ち方、チョークの持ち方から練習です。生徒の年齢は様々。レベル別でクラス 分けしています。自分の年齢も、みんなわからないんです。兄弟が多いので、誰も誕生日を覚えていません。
生徒の中には何人か障害を持っている子供がいます。クーシーちゃんもその一人で、彼女は両足が動きません。村のはずれの 家から学校まで20分ほど手で這って通っていました。そこで、彼女に車椅子をプレゼントすることにしました。最初はみん なに注目されるので、恥ずかしそうな顔でしたが、友達も手伝ってくれて、車椅子の練習を始めました。村の道は大変ガタガタなので、誰かに押してもらわなくてはなりませんが、毎日車椅子で通っています。
インド流勉強法。壁にいくつか紙が貼ってあります。そこには、ヒンディ語で文字とイラストが書いてあ ります。「ア」は「アーム(マンゴー)」の「ア」のように、それぞれの発音を勉強するのです。代表が一人前へ出て読み、 ひとつひとつ全員で後に続いて声を出します。隣のクラスでもやっているので、ものすごい大合唱になります。ひたすら、覚 えるまで繰り返します。
クラス1と2と3は、文字に接するのが全く初めての生徒たちです。ヒンディ語と、英語、そして簡単な算数を勉強していま す。文字が読み書きできるようになったら、いろいろな教科の教科書にステップアップ。がんばれ!
屋上の授業。クラス4の生徒は他の学校から転校してきました。遠い学校に通っていたけれど、近くに学 校ができたので、こちらで勉強をすることに。だから、彼らの制服はばらばら。前の学校の制服を着ているのです。残念ながら、この学校にはまだ制服がありません。インドの学校では、学校がシャツは白、スカートやズボンは黒など、色だけ指定し て、生徒がそれぞれオーダーメイドで制服を作ることが多いのです。けれど、この学校の生徒たちのほとんどは、家が貧しくて制服を作るだけの余裕がないのです。
いつか制服作ってあげるから、待っててね。
松葉杖をついているのは、先生ではなくて、生徒です。推定17歳。彼も初めて学校に入りました。読み書きは独学で少しで きます。年が大きいけれど、どうしても勉強がしたくて、入学しました。とても熱心な生徒です。
生徒の中にはびっくりするくらいよく勉強ができる子がいます。将来が楽しみです。