2012 スーリヤ校で日本語教師ボランティア

昨年の春、スーリヤ校の日本語指導ボランティアに行ってまいりました。

私は広島で日本語教師をしております朝辺です。いつかスーリヤ校へ日本語指導ボランティアに行きたいと思っておりましたが、昨年思い続けた夢が実現しました。

2週間もの間、お世話になりました皆様ありがとうございました。沢山の素敵な体験をさせて頂きましたので、少しお伝えさせて頂きます。

ブッダガヤに着いた次の日、学校はお休みでしたので、ゆきさんと校長先生の家庭訪問に同行させて頂くことになりました。

そこは一面畑が広がり土壁でできた家々の集落。外には子供たちが裸足で元気に遊び、すぐ傍にはのんびりと牛が寝そべっていました。お爺さんが草を牛の餌にするために大きな車輪のような釜で切っていたり、お医者様が自転車で巡回していたり、お姉ちゃんが下の兄弟の子守をしたり、頭に壺をおいて水汲みしたり、時間と空間が飛んだ景色に心地よさを覚えました。

そして女の子達が嬉しそうに私たちを家の中へと案内してくれて、熱いミルクたっぷりのチャイとお菓子でもてなしてくれました。部屋の隅にある土壁でできた自分の教科書が置いてあるコーナーにも案内してくれて、学校の教科書を嬉しそうに見せてくれました。子供たちは学ぶことに喜びを感じ、学校に行けることを誇りに思い、主に深い感謝の思いで一杯でした。

そしてこの集落に住んでいる他の生徒達も人懐こく集まって来て、一軒一軒みんなで回っていきました。どこの家庭も暖かく迎えてくださり、家には主のお写真が飾ってあり、笑顔で「エルカンターレ」とエルLサインをしてくれます。

この集落は学校から歩いて片道2時間往復4時間、子供たちは歩いて通っていたそうです。

しかし数年前にHappyScienceより中古のバスを援助してもらい、バスで通学できるようになったことで、生徒たちの通学の負担が激減し学業に専念できるようになったそうです。

次の日、私は学校初日を迎えました。生徒たちは毎朝始めにグランドで朝の朝礼とお祈りがあります。みんな真剣に祈っています。

子供たちは始めは遠くからチラチラと私を見ていましたが、朝礼が終わって教室に帰るときには笑顔で「ナマステ」と挨拶をしてくれました。

最初の日本語授業は可愛い1年生です。持参した絵カードを見せると、みんな大きな声で発話してくれてとっても元気な子供達でした。

それから休憩時間にグランドの隅にあるトイレに行った時、女子生徒たちが笑顔一杯で近寄ってきて話しかけてくれました。興味津津質問攻めです。

「名前は?家族は?歳は?」「歌を歌って。」「ダンスを踊って。」(歳??歌??踊り??キャーどうしよう!笑!)私は歌やダンスなど出来ないので反対に彼女たちに「ダンスを踊って。」とお願いしたら、彼女たちは恥ずかしそうにしながらも、楽しそうに笑顔でスカートの裾をもって踊って見せてくれました。本当に明るい素直な子供達です。

 

放課後、日本語がよくできる子供たちの特別クラスがありました。さすがにレベルが高くて、みんな真剣に聞いています。目が輝いています。中にはどんどん質問をしてくる積極的な生徒もいました。本当にみんな勉強が楽しくて大好きなんですね。

一つ悲しい出来事がありました。女子生徒が卒業を前にして、親が決めた結婚をさせられることになり、学校を辞めさせられたのです。いくら学校で男女が机を並べて学んでいても、インド社会ではまだまだ女性に対しての差別があり、女性の意見が言えない世界であることも否めません。早く女性も一人の人間として意見の言える社会になるよう願っています。

 

滞在中にホーリー祭がありました。

これはインドの春の訪れを祝うお祭りで、誰彼無く色粉を塗りあったり色水を掛け合ったりして祝うお祭りです。

いつもは礼儀正しい生徒達も無礼講で先生たちに色水を掛け合い、大人も抱腹絶倒我を忘れて子供に返った数時間を過ごしました。

そして最も思い出に残ったことは、主の御巡錫1周年記念パーティが開催されたことです。(なんとラクダも出席していました。。)

子供たちは主への深い感謝を現し、インドの素晴らしい伝統の舞を踊ってくれました。インドの文化を踏襲しつつ、新しいエルカンターレ文明を育む子供達は、世界へ羽ばたく光の天使になっていくことでしょう。

全ての子供たちが教育を受けることができ、それぞれの個性を伸ばし、光の天使としての素晴らしい人生を歩んでいけますよう、心より祈念し、また少しでもサポートさせて頂ければ幸せと思っています。

このような沢山の尊い経験をさせて頂きましたことを主に心より感謝申し上げますと共に、快く受け入れて下さったゆきさん・校長先生ほか皆様に感謝申し上げます。

もう一度、可愛い子供たちに会える日を楽しみにしています。ナマステ

朝辺泰子