2012年5月 八田舞
ブッダガヤの有名なマハボディ寺院から車で5分ほど離れたのどかな場所にスーリヤ・バルティ・スクールはあった。夏期は40度超えの猛暑が毎日続くので、授業時間は早朝7時20分から12時まで。朝早くから子供たちは皆元気いっぱい。素直で元気な生徒ばかりでヒンディー語・英語・日本語のあいさつが飛び交う毎朝はとても気持ちがいい。私が教室に入ると、生徒のみんなは一斉に起立して大きな声で“おはようごさいまーす!!”と言ってくれた。元気いっぱいな生徒たちと、教育熱心な先生方に迎えられて私のボランティア生活がスタートした。
◎学校での授業の様子
英語・ヒンディー語・数学・日本語・コンピューターなど一日7クラス。みんな本当に元気いっぱいである。日本語のクラスのアシスタントをさせて頂いたが、ほとんどの生徒が日本語で自己紹介ができて驚いた。中には飛びぬけて日本語の上手な生徒もいて、日本語が大好きですと答えてくれた。それから、北インドの伝統的な踊りカタックダンスのクラスを見学。先生の歌と太鼓に合わせて踊る生徒たち。私も先生に誘われみんなと一緒にクラスに参加させてもらった。
◎給食の時間
待ちに待った給食の時間。一年生から順々に配膳された給食をみんな美味しそうに食べる。男の子たちは食欲旺盛なのでお皿にご飯が山盛り。
◎家庭訪問と村の様子
私は、以前ラジャスターン州のジャイプールとウッタラカンド州のデラドゥンのインドのNGOで働き、プロジェクトのため農村部に何度か訪問したが、ビハール州のブッダガヤ周辺の生徒の住む村は、今までで見た村の中で一番貧しい環境にあるという印象を受けた。ビハールは、腐敗した政治が過去に続いたため、治安が非常に悪い時期があった。そのため、現在インドで最も貧しい州として知られている。ほとんどの子供たちの父親は農業で大家族の生計を支えているが、収入は十分に得ることができず、生徒の中には満足に三食の食事がとれない生徒もいるという。ほとんどの生徒の家にはトイレはなく、水は手押しのポンプがある場所まで行き汲む。乾季には、水が地下から汲み上げられず水不足になる村も多いそうだ。日本に比べるとインフラストラクチャーは整っていないが、生徒の家の屋上から見た畑が広がる美しい景色に息を呑んだ。牛がのどかに歩く。近所の人たちはまるで家族かのように助け合って生活しているようだった。
◎母子保健
赤ちゃんの健康チェックのため、村のお母さんと赤ちゃんの訪問を行った。レイカ先生が赤ちゃんの体重測定とお母さんの血圧チェック等を行う。赤ちゃんの健康チェックを行う私たちを見たお母さんが次々に私の子供も診て欲しいとやってくる。生まれたての小さな赤ちゃんもいた。皮膚に問題がある赤ちゃんがいたので、病院に後日連れていくことになった。
2週間のボランティア活動で感じたことは、教育は子供たちの将来の可能性を無限大にするという事。笑顔で勉強する子供たちがそれを物語っている。将来、ここスーリヤ・バルティ・スクールで学んだ生徒たちが与えられた教育という機会を最大限に生かし、1人でも多く自分の将来の夢を叶え、貧しさや生まれたカーストをこえてインドの社会、又は世界で活躍することを期待している。
ブッダガヤにてボランティア活動中に大変お世話になった井上さんをはじめ、学校の先生方・スタッフのみなさんに大変感謝しています。ありがとうございました。