2001 村

菜の花畑が広がる農村。

ほとんどの家は土でできている。壁には一面、燃料となる牛の糞が丸く平らにして貼り付けて乾かされている。

電気は一応来ているけれど、土壁の家にはあっても電球だけ。みんなテレビも見たことがない。

村の子供たちに歌を歌ってもらうと、それは家に代々伝わる儀式の時の歌。おばあちゃんやお母さんから口伝えで覚えた歌。テレビや映画で流行っている音楽はほとんど知らない。

 

 

私たちが村へ行くと、どこからともなく集まってくる子供たちと村人。どうやら車が村に入ってくるのを見て、走ってきたらしい。めったに車なんて村に来ないから、それだけで珍しい。

しかも、外人(私)がいるから、もっと珍しい。最初は恥ずかしそうにしていたけれど、デジカメのディスプレイや、ビデオカメラのディスプレイで子供たちを映して、それを見せてあげたら、大騒ぎ。写真もあんまり取らないから、画面に映った自分たちを見て、大興奮。

 

 

村はブッダガヤに属するけれど、ブッダガヤの中心地からはかなり外れているので、村人は外国人をあまり見たことがない。それでも、私に普通に話しかけてくれる。ブッダガヤのヒンディ語はデリーのヒンディ語に比べて、関西弁くらいの違いがあるが、村の方言はさらにすごい。

なんとなくニュアンスでわかるけれど、スタンダードヒンディとはかなり違う。だから、子供たちと話すと、普通のヒンディ語では通じない時がある。

親もその親も学校へ行ったことがないし、テレビもないから、村の言葉しか知らない。

学校で、ヒンディ語の「あいうえお」からスタートだ!